昨日は、今年太鼓の修理でご縁をいただきました
300年という歴史と伝統をほこる伊勢市円座町の無形文化財
円座町鞨鼓(かんこ)踊りへ伺ってきました!
このかんこ踊りは、毎年8月15日の夜、
当地の檀家寺である正覚寺の境内庭で踊られる念仏踊りです
今年の冬に、この地区の太鼓を10台ほど修繕してもらえないかという
ご依頼を受け、はじめて知ったかんこ踊りというお祭りに
とても興味をいだき、これは本番のお祭りにぜひ行かなければと
念願叶いました(^^)
修理をさせていただいた太鼓(鞨鼓)
太鼓そのものも、とても特徴的で
私自身、見るのがはじめての太鼓でした。
もともとは、雅楽の楽器である鞨鼓(かっこ)という太鼓を持って
叩きながら踊ることが由来となり、現在は雅楽の鞨鼓(かっこ)ではななく
写真のように曲げ輪っぱの胴に馬皮を張ってでできた
太鼓を腰からぶらさげて踊ります
地区の初盆を迎えるご先祖様の供養の踊りであり、
五穀豊穣、家内安全を祈願する祭りだそうです
この祭りは、太鼓のみならず衣装も
大変特徴的。
しゃぐまと呼ばれる馬のしっぽの毛でできたかぶりもの
しゃぐまと呼ばれる馬のしっぽでできた
かぶりものを、顔が見えないほど深くかぶります
しゃぐま
これは現在では作り手すらいなくなってしまい
大変貴重かつ高価な品だそうです
そして、腰にはスカートのような巻物
菅(すげ)とよばれる草木から
毎年踊り手の身長に合わせて、
町の長老が一つ一つ手作りするそうです。
ちょうど、修理の太鼓を引き取りに伺った際は
この菅の巻物を作られている作業を拝見することができました!
菅で作られる腰巻
一人一人の身長にあわせ、毎年作られる
戦時中はこの伝統も一時休止。
従来は地区の長男しか踊ることができなかった
祭りも、人で不足で現在では長男以外でも
踊ることができるそうです。
こうして、時代の変化とともに
少しずつ変えながら脈々と受け継がれた伝統を
絶やすまいという町の方々の熱を感じることができました。
祭りについて熱く語ってくれた長老
伝統、伝統と現在では
かんたんな言葉で表現してしまいますが
その中にある“本質”はとても
深く現代の私たちだかこそ学ぶべき大切なモノが
その中にやどっていると常々感じています。
このような貴重なご縁をあたえていただけたことに
大変感謝しながら、貴重なお祭りに参加でき
感激して帰路につきました。
みなさんにもぜひ知っていただきたいと
少しだけ動画も撮影させてもらったので
よろしければご覧ください。
こちらから>>>