ご存じの通り太鼓つくりは基本手仕事なので、
手を使うというか、手の感覚を使います。
太鼓の皮の原皮は大きく、広げればたたみ2畳はゆうにあります(^^♪
皮の真ん中の縦線が背骨の後です
しかし、太鼓にするにはこの皮のすべての部分を使えるわけではありません。
皮質や厚み、生きていた時の傷などを判断し
むしろ使えない部分の方が多いくらいです。
音を作る上では、どの位置で取り、どのくらいの厚みで
作るかという事がとても肝心で、
まだ音になっていない、この原皮の状態からそれを判断する必要があります。
これをどうやって判断しているかと言いますと、
『手の感覚』
それしかありません。
演奏者の要望や、使い方をよく伺い理解し
それに合った音つくりをすることがとても大切です。
ちなみに、皮の厚さってどのくらいあるかご存知ですか???
正直私達も今までは手の感覚で全て測っていましたが、
最近記録用として皮の厚みを計測して残すようにしています
お尻の皮が厚く、厚い所で約2㎜弱、
そして腹の部分の皮は薄いのですが、薄い所では約0.5㎜ほどです
締太鼓のようにある程度規格の決まっている皮は
音の質をそろえる必要があるので、皮の厳選にこれまた
非常に神経を使っています!
2丁掛け、3丁掛け、4丁掛け・・・
と皮の厚みが変わっていくのですが、どのくらい違うかと言いますと
2丁と3丁で平均0.2㎜~0.3㎜程度の違いです。
たった、0.2㎜ほどの違いが、完成した時
大きな違いとなってあらわれるんです!
自然のものを相手にしているので、
毎回毎回規格や、質が揃うわけがなく本当に苦労しますが
ここに妥協したら、音そのものに妥協することになってしまうので
自分自身が納得できる皮を毎回求めています。