2014年7月5日土曜日

伝統を守り、伝統を創る

こんにちは、六代目彌市です。

あっという間の7月ですね〜
と、思いきや今月のスケジュールがすでに
パンパン。

ワールドカップで寝不足になってる場合じゃないな!

さて!今月もがんばります(笑)


今月はテレビの取材や、冊子の取材
また、自身の所属する匠の会などで
自分自身の事を話す機会をたくさんいただきました。

あらためて人前で話す事で、自分自身が
伝えたい事、伝えたかった事が整理できて
本当に良いキッカケをいただけたなぁと感謝しております。

私は今、伝えたい、届けたいエネルギーが全開です(笑)

なんでそうなったんだろうと
自分自身で考えてみると、何より誰よりその“価値”や“本質”
もっと簡単に言うと、“良いところ”がハッキリと見えてきたから
だと思います。

もちろん、私は太鼓屋ですので
和太鼓についての事です。

良いところがハッキリ見えると、
それを伝えてあげたいと思うのは人間の真理ではないでしょうか・・・

良いところを伝えてあげれば、成長できるし繁栄するし
何よりそのモノ、その人自身がハッピーになります。

ハッピーな事は長く続けられるし、より多くの人に
また届いていくという、いい連鎖反応が生まれます

では、その和太鼓の本質、価値、“良いところ”って
なんだろうという事ですが、
私自身はその本質を、古い太鼓や伝統芸能の太鼓の音から学びました。

天正五年1577年安土桃山時代から繋がる太鼓。


地元に受け継がれる伝統芸能の太鼓。

古い太鼓や、伝統芸能の太鼓って
すでに何十年、何百年という歴史が積み重ねられ現代に受け継がれたものです。

ご覧いただいても分かる通り、
古い太鼓は何百年という長い年月を経ているので
見た目もカタチも決してきれいとは言えない太鼓です。

なのに、どうして何百年もの間を受け継がれ
また今もなお、ただの飾りではなく現役として活躍する事ができるのでしょうか

その事実を突きつけられた時
一つの答えが見えてきました。

それはたった一発の“活きた音”でした。

見た目やカタチはボロボロであっても
その太鼓には“活きた音”がきちんと宿っていました。

ああ、そうか!

この“音”があるから受け継がれ
そして現代になお多くの人にその音のメッセージを届ける事ができるんだ!

伝統芸能で演奏される太鼓の音も同じです。

見た目やパフォーマンス、エンターテイメントの道具ではなく
その“音”そのものがメッセージとなり届けられているので
実際に“届く”のです。

和太鼓の文化というのは、約30年ほど前から
あらたな需要というか世界が広がってきました。

太鼓が使われる場所って、ほんの30年前までは
伝統芸能や地元の祭礼のみ。

それが近代になり、和太鼓が舞台演奏用の楽器として
あらたなる可能性が見いだされ、現代では多くの演奏家と呼ばれる方々がいます。

いわゆる創作系和太鼓文化の発祥です
私達零〜zero〜もそうですね!

創作系和太鼓文化。

時代の波と、流行にのり
この新たな世界はあっという間に全国から世界中に広がりました。

伝統芸能や祭礼は後継者問題などで本当に縮小傾向にある中、
太鼓が新たなる可能性を見いだされた事は本当にうれしいです

ただ、現代の創作系和太鼓の演奏家と
昔ながらの太鼓や、伝統芸能の太鼓とは
和太鼓というまったく同じ太鼓を使っていながら
大きな大きな違いがある事に気づきました。

それは演奏者の“視点”です。

伝統芸能の太鼓というのは人々の本気の願いを“音”にのせて
届けられています。

届けるべきはその“音”であり、
音そのものがメッセージだからこそ
多くの人々に、神々に届く事を知っています。

一方、現代の創作系和太鼓の多くの演奏家は
残念ながら“視点”が太鼓の音ではなく自分自身に向いています。

目の前にしている楽器、和太鼓であるにもかかわらず
実は演奏者自身、それがいったい何なのかという事が見えていないのです。

舞台演奏という視点で考えれば、
パフォーマンスやエンターテイメント性があることも
もちろん和太鼓の最大の魅力の一つでありますが
ただ、それだけにはなってはいけないのです。

だって、パフォーマンスやエンターテイメント道具でしか
本当になかったら究極、和太鼓じゃなくても良いのでは?
と思います。

演奏者自身が、その“音”を聞く事ができ
きちんと届けられる事ができなかったら、
新たな時代に生まれたこの“文化”が、次の時代の“伝統”となる事はできません。

伝わっていますでしょうか・・・

私達の目の前にはすでに積み重ねられた歴史から
和太鼓の“本質”を学ぶ事ができます。

もうすでに、何百年という積み重ねられた大先輩が存在するのですから
その先輩からなぜそうなれたのかを学ぶ事ができれば、
私は新たな時代に生まれたこの文化が、本当の意味で
次の時代の“伝統”になれると確信しています。


“伝統を守り、伝統を創る”

これは、本日のブログタイトルでもありますが
当店の経営理念にもなっている言葉です。


伝統を守るとは、受け継がれた和太鼓の“本質”そのもの。
たった一発の“活きた音”です。

この本質をきちんと理解し、
常に核になるその“音”がブレなければ
あらたな時代に求められる新しい太鼓だって
いくらでも作る事ができます。

そしてその新しい太鼓がいずれ何百年後かに、
“伝統”と呼ばれるモノになっていてほしい。

そんなメッセージです。



せっかく、新しい時代に誕生した貴重な貴重な“文化”が
本当の意味で“伝統”となる事を本気で願っています

その為には、太鼓の“音”にほんの少しだけ
耳をかたむけてやってください。


本質の宿ったモノは守られ、受け継がれ伝統となっている事実。

本質の宿ったその“音”は多くの人々や神々に届いているという事実。


現代にあたらな可能性が見いだされた和太鼓の文化。

この文化が次の世代の伝統となるには、何を大切にすべきか
もうお分かりでしょう。


単なる一時の“流行”で終わってしまうのか・・・
次の世代につなげる事ができるのか・・・


今一度、目の前にあるその太鼓と
向き合っていただけたら幸いです。