2014年10月16日木曜日

みなさんご存知でしたか?太鼓の胴はなぜ膨らみがあるのか?実はここに和太鼓が和太鼓たるすべてがあるんです!

こんにちは、六代目彌市です。


今日は太鼓の胴がどうして膨らんでいるのか?


何を今さら???


と、思いになる方もいると当然いますね。


だって、太鼓と言われたら昔から
その形を見てきたので、あらためてそんな事

考えることしないと思います。


でも!


よく聞いてください。



これこそが、和太鼓が和太鼓たるゆえんそのもの。


すべての神髄が詰まっているといっても過言でないのが
この胴体の膨らみに隠されていたこと!


ご存知でしょうか(^^)






胴の膨らみがもつ神髄とは!?




まずみなさん、音を表現する言葉って
たくさんあります~


例えば、

・高い音、低い音
・軽い音、重い音
・やわらかい音、硬い音
・深い音、浅い音
・音の余韻、残響



これはほんの一例なので
まだまだ音の表現方法ってたくさんありますよね


で、ここで質問です(^^)



この上にあげた例の中で、
では、いったいどの音が一番遠くまで届くか知ってますか?



ここで言う遠くというのは音が届く距離の事です。



音は空気の振動なのでまったく同じ条件で
高い音と低い音を伝えた場合という事が条件になりますが


単純に“距離”という点だけで捉えると
実は高い音より→低い音の方が距離は遠くに届くんです。



理由は、

高い音というのは空気への振動の回数が細かくて多いので
エネルギーの減少が早いから



そして、一方

低い音というのは空気への振動の回数が大きく少ないので
エネルギーの減少が遅いから遠くの距離まで届きます



という事は、ちょっと整理しますね


高い音というのは、距離は飛ばないけれど
音の届くスピードは速いという事です。


そして、

低い音というのは、距離は飛ぶんですが
音の届くスピードは遅いという事です。



分かりますか?

みなさんついてきてくださいね(笑)



例えば、そうだな~


あっ!花火大会(^^)



大きな花火のドーーーンという低い音って
花火が見えない遠い距離でも聞こえた経験ないですか


実際の花火が爆発してから、
聞こえるまでの時間てすごい時間かかってますよね!


そういう感じです


でもって、細かいパチパチなんていう
音は遠くまでは届いてこないです。




ちょっと話がズレてしまいました(>_<)が
ちょっとした音に対するエクササイズでした(笑)


で!、今日お伝えしたいのは、音の届く距離のお話ではなく

ん~と音のエネルギーの話です。



先にあげた、

・高い音、低い音
・軽い音、重い音
・やわらかい音、硬い音
・深い音、浅い音
・音の余韻、残響


この中で遠くまで距離が届くのは
低い音というのは分かりました。


では!


この中で、一番人の心に届く
音っていったいどの音がわかりますか?


さあ、いきなりハードルあがりました(^^)




それが、冒頭の和太鼓の膨らみと
とても関係しています。



この先の話を伝えるのに
先に正解を伝えなければならないので


答えをまず言ってしまいますが、


正解は、“深い音”なんです。



深い音????



さて、みなさん深い音って感じたことありますか(^^)



高い音とか、低い音はわかっても

なかなか“深い音”って言われても
言葉では理解できても実際の音がどういう音か


なかなか理解できないと思います。



でも、この深い音というのは
言葉では理解できないかもしれませんが


日本人の誰しもが持っている“感覚”です



この先、わかりやすく深い音について
解説しますね、


ちょっと話は長くなりますが

太鼓にたずさわる人だったら
絶対知っていてほしい!


そんな大切な音の世界ですので
みなさんあきらめずに最後までお付き合いください(苦笑)




こちらの図をご覧ください>>>






この図は、もし太鼓に膨らみがなかったら

どうなるかという絵を表しています。


打面中央の青色で書いた下向き↓は、
ど真ん中を叩いたときの音を基準に伝えています



もし、和太鼓にふくらみがなかった場合は
このど真ん中を叩いたとき図のように


緑の斜線がないという事になりますよね


で、緑の車線がなくなると
長方形のような形になります。


実はこの状態でど真ん中をたたくと
赤い矢印で表記した音の振幅が

対照的に反響するだけなので
縦の矢印同士と横の矢印同士が

それぞれ音を殺しあうので
結果どうなるかというと、


音が止まるというか、詰まったような感じになるんです。



実は、同じ打楽器のドラムありますよね~


この構造がまさにそうなんです。

ドラムはふくらみがない。




上記ドラム構造ご覧ください。


ほら、ふくらみがないから
ど真ん中を叩いたら、縦の矢印横の矢印が

同じ振幅で帰ってくるので音を殺して詰まった感じになります。


ここからとても大切な話です。


だから実はドラムってど真ん中叩かないんですって!


知ってました??


逆にちょっと真ん中を外して
叩くそうです(^^)


こういう事です>>>

真ん中を外すと???



どうして真ん中を外すかというと、



それは真ん中を外すと先の音の振幅を
変える事が出来るので、音が詰まらずに
余韻を創ることができるんですね。


伝わりますでしょうか・・・



これが和太鼓とドラムの最大の違いと言っても
過言ではないかもしれません。


で、和太鼓に戻ります。




もしドラムと同じようにふくらみがなかったら
音の振幅が平等なので真ん中を叩くと音が詰まります。


これは先ほどの図です>>




でも、和太鼓は上記のずとは違いますね


そう!ふくらみがあります


和太鼓のふくらみが持つエネルギーとは?





この膨らみこそ何度も何度も言ってますが

和太鼓が和太鼓たるゆえんそのもの。


和太鼓はど真ん中を叩いたとき
こういうイメージで太鼓の中に音のエネルギーが
広がっていきます>>




わかりますでしょうか?


緑色の斜線が和太鼓の膨らみの部分ですね
赤い矢印が音の広がりを表現してますが
そこまで音が広がり、伝わるんですね



これが“音の深さ”に
繋がっているんです。



これは日本人が昔から持っていた
独特の精神性や感性というのでしょうか


高い音でもなく、低い音でもなく
大きい音でもなく、小さい音でもなく
硬い音でもなく、柔らかい音でもなく


“深い音”こそが、人々の心の奥深くに響く、
届く音だということを知っていた。


だから和太鼓はこのカタチに発展したんです。




とても大事な事伝えてますので
よく理解してくださいね。


深い音が届く音だと知っていた!



という事です。


だからこのカタチなんです。



という事は、


深い音というのは単純に音が飛ぶ距離とかではないですが
人の心の奥深くに届くということです。


正解とか不正解という事ではなく

これは真実です。




音の深さについて、


また和太鼓が和太鼓たるゆえん
理解いただけましたでしょうか



もし理解してもらえたなら、


その音の深さは何より伝わるんですよ!


だから、その音の深さを
ちょっとだけでいいです


感じてみようと思って太鼓叩いてみてください。



そう思って太鼓打つだけで、

その先に広がる音の深さは絶対変わります!


先日私のブログで太鼓には目があるんだよっていう
お話ししました。


そして、その目は真ん中にあるよって
お話ししました。


それはこのエネルギーを、
音の深さを感じてほしい、届けてほしいという願いからです。



そして、その音は


人の心の奥深くに届きますから(^^)