2017年10月25日水曜日

欲しいのは「大太鼓」みたいな低くて響く音♬

こんにちは、六代目彌市です(^^)

先日、あるお客様から
こんなお問い合わせをいただきました♬


長胴の太鼓が欲しいのですが、

保管場所も、予算もないので、
現在使っている1尺6寸の「桶太鼓」を
長胴のように使うことはできないでしょうか???


できるだけ「低く」「響く音」で、
さらに今の皮は「馬皮」で強度もないので
強度のある「牛革」に張り替えて欲しいのです♬


と、、、


わかりました。

わかりました♪( ´▽`)

そうお返事させていただいたものの

実際のところ
何を、どこまでやれるかは
「現物」を拝見してみないとわからない、、、


ということで

早速お客様にお願いして
送っていただいた太鼓がこちらです♬




見た目は、普通の桶太鼓。


どれどれと、早速叩いてみる♬




ん!?


お客さんの言われるような「皮」の問題では
ないような気がするなぁ、、、


叩いてみましたが、
お客さんの言われるような「皮」に対する
違和感は感じないな〜♬


それでも、一度バラしてみようと
調べを外してみる、、、




外し終えた皮をみてみると

やっぱり!

この皮はお客さんの言われる「馬皮」ではなく


「牛皮」のむしろしっかりした良い皮だ♬




じゃあ、一体どこに「違和感」があったんだろうと
探してみると、

2つの問題点が見えてきました。


1つ目はこちら。




今回のどうは、「桶太鼓」の形こそしてますが、

実際の胴は桶じゃなくてベニヤ板を
「筒状」に整形しただけのもの、、、

よって、胴は全くの「ストレート」なのです。


こういう胴は実は、音が「詰まった」感じになり

音の「響き」を殺してしまうんです。





2つ目は、
皮に対して極端に胴が小さいこと。




当然、胴が小さくなればなるほど
音の「響き」は弱くなっていくので


「深く」「響く音」は出にくいのです。



よって今回は、

①皮はそもそも牛革でとても良い皮であること

②音の原因は胴の作りと大きさにあること


その2点をお伝えさせていただき
当初お客様がご要望されていた

「皮」の張替えではなく、

「胴」を新たに桶で作らせて
いただくことになりました(^^)



太鼓は、「皮」だけが鳴っているわけじゃなく

「皮」と「胴」それぞれの素材が
一つになって始めて「音」が生まれる楽器ですので


胴の作りや素材によっても
当然その先の「音」が変わっていくんですね♬


それにしても、
今回いただいた宿題は!?


“大太鼓みたない低くて響く音”



ということですので♪( ´▽`)


これは、太鼓の大きさそのものから
できる限界は当然ありますが


最大限、この子の音を
生かしてあげられるよう頑張ってみます♬


太鼓は、「皮」と「胴」どちらも
とても大切な役割があるってことですね!


今日も素敵な1日を(^_−)−☆