2017年11月30日木曜日

たった一つの家族に捧げた演奏会。

こんにちは、六代目彌市です。

いよいよ今日で11月も終わり、、、
今年もラスト1ヶ月ですね〜♬

振り返ってみると、
改めて2017年は私にとっては激動の年となり、

たくさんの想い出と共に、

たくさんの大切な出会いと
そして別れを経験した年でもありました。


先日、
私たちの演奏グループである
和太鼓零〜ZERO〜にとって、
大切な人がこの世を去ってしましました。


今日は、どうしても
大切なその事を忘れないために、

記憶に刻み込むように
書き残したいと思います。


みなさんも、きっとありますよね。

「人生」を変える出会いって♬


私達にもあるんです。

この“林さん一家”との出会いなくして
今の私たちはないと思ってます。


たった、一つの家族だけに捧げた
想い出の演奏会。


今日は林さん一家との出会い
ヒストリーブログです♬




出会いはさかのぼること12年前。


私たち零〜ZERO〜が
結成後、初めて地元会館でのライブを企画し


そのライブ直前1週間前に、

ライブリハーサルをかね、
岐阜県にある日本昭和村で
イベント出演させてもらったんです。




この時が、世の人前で
零〜ZERO〜が初めて演奏した時です。


とにかく、

何もかもが初めてのことだらけで


そもそも人前で演奏するって
どういうことなのかも理解できてない
若者たちで、、、


ただただ、お腹が痛くなるわ
吐き気がするわと、、、


覚えている事といえば、
この時の「緊張感」だけですね^^;




今の零だったら、

お客さんにこんな想いを届けたいね♬とか、、、

こんな曲演奏して
こういう風に喜んでもらいたいねって♬


演出を考えられるようになりましたが、


当時は、

目の前にいるお客さんの為になんて発想は
1ミリもありませんでした。


とにかく、間違えないで、、、


挨拶もカンペを見ながら
間違えないように話して、、、


ライブに向けたリハーサルとして、
とにかく間違えないよう上手く行くように終える事!


これがこの時の
一番の「目的」だったんです。



そんな昭和村でのイベント演奏が
無事終わって、


いよいよ本番ライブに向けて
準備を進めていた時の事。


ある一通のお手紙が、
私たちの元へと送られてきました。


それはたまたま、この時
昭和村にご家族で遊びに来られていた


林さんと言うご家族からの
お手紙でした。


そこには、
私たちの演奏を見て心から感動し
たくさんの勇気をもらったと、、、

そんな感謝のメッセージが
綴られていたんです。


正直、びっくりしすぎて
涙が出てきたのを覚えています。


だって、
この昭和村での演奏は人前で初めての演奏。


自分たちの演奏が、
人の心に「感動」を与える事が出来るだなんて

思っても見てなかったからです。



言ってみたら、
林さん一家は和太鼓零〜ZERO〜ファン1号!


それが、大切な大切な
林さん一家と私たち零との出会いでした。





そこから、林さん一家は
ご自宅が岐阜県だったんですが

私たちのライブがあるたびに
わざわざ一家揃って応援に駆けつけてくださるようになりました。


そんな大切な林さん一家の
おじいちゃんが先日お亡くなりなられたと

ご連絡いただいたのです。



毎年応援に来てくださっていた
私たちの定期公演も、


晩年は高齢という事もあって、
なかなか岡崎まで来る事ができなくなっていました。


それでも、結成10年を迎える直前ライブで
どうしても林さん一家に

「感謝」と「想い」を舞台から届けたいと、、、

ご招待の案内を送らせてもらったんですが


やはり体調優れず、、、
岡崎までの道中がご心配との事。



それでも、私たち零がここまで
続けてこれたのも、

林さん一家との出会いあってこそだと、


岡崎まで来られないんだったら
自分たちで行こう!


そう決めて、


林さんのご自宅から
一番近くの会館を抑えて、


後にも先にもない、

林さん一家のためだけの
演奏会を開いたんです♬




大きな会館にいるお客さんは、
林さん一家だけ。


たくさんの人に
想いを届けられるんだと

教えてくれた大切なご家族へ
私たちから感謝の演奏。


ただただ、感謝を伝えたかった、、、




そして、みんなで涙した、、、






その時、

おじいちゃんが突然舞台に上がって来られたんです。





君たちの「音」は本当に素晴らしい。


涙ながらに必死に私たちに伝えようと
そう言ってくださったのを今も忘れません。



この時演奏させてもらった
私たちの曲「NOVA」がおじいちゃんの
一番のお気に入りだったと、

ご家族の方が教えてくださいました。





そういえば、

この時、大太鼓を叩いていて、
私バチを折ってしまったんです。




後にも、先にも

この太い大太鼓バチを折ったのは
この時しかありません。


それだけ、想いがこもってたんでしょうね。


そして、
折れたバチの先っぽは

林さんが記念に欲しいとおっしゃられたので
差し上げ、


残りの半分は今も私が
大切に保管してました。


全ての想いをのせ、
林さん一家のためだけに捧げた演奏も無事終わり、

「ありがとうございました」と、、、

感謝を告げたこの瞬間の想いは、

一生忘れることはありません。





人は、身勝手な生き物なんです。


こんな私でも、時が経つと
自分の都合の良いことばかり覚えていて、



なぜ?

今自分たちがそれができているのか?

なぜ?

今自分自身が存在できているのか?



そういう大切なことを、

時に忘れてしまうことが
情けないことに私にもあるんです。



自分の力が強くなればなるほど、

自分の力でできることが増えれば増えるほど、


人は自分勝手に
物事を捉えてしまうようになる、、、、


あたかもそれが
自分一人の力でできるようになったかのように、、、


だから、
時々こうして

自分自身を振り返る時間て
本当に大事なんだと思う。


忙しい忙しいと、

先に進むことばかり考えていては、


本当に大切なことが
何なのかってことを忘れてしまう、、、


だから、


林さん一家との出会いは、

一生忘れてはいけない
私たちの原点なのです。


どんなに素晴らしい技術を磨いても、

どんなに素晴らしい演奏ができるようになっても、



そこに「おごる」ことなく、
常に謙虚な気持ちでい続けることの大切さ。



そんな人ととしての
大切なことを教えてくださった

林さん一家に心から感謝いたします。




おじいちゃんありがとう♬