こんにちは、六代目彌市です^_^
さて、
今日は、またまた!?
密かに頭の構想にあった
私が作ってみたかった
「担ぎ専用桶太鼓」の試作第1号が完成したので
こちらをご紹介させてください♬
まだ、塗装前ではあるものの
一見すると普通の「桶太鼓」
それが今回
「担ぎ専用桶太鼓」という目的で製作♬
一体、どこか
どう違うのか??
その誕生の裏にあった
物語をご紹介します♬
実は、
さかのぼること、
昨年の11月に
三浦太鼓店メンバー全員で
岐阜県可児市にある
世界的にも有名なギターブランドメーカーの
ヤイリギターさんへ
工房見学に行ってきたんです♬
ヤイリギターさんは、
高い技術を持つ職人集団が
日々、手仕事で「本物」のギター作りに
こだわる素晴らしいギターブランド♬
同じ職人として、
これは絶対深い学びがあるに違いないと
社員みんなで訪れたのですが、
「本物」を作るために
整えられら環境や設備を見て
ただただ、
同じ職人としてうらやましてく、
それはそれは
圧倒されるばかりでした♪( ´▽`)
当然、
「ギター」と「太鼓」
一見、何の接点も
ないように思いますが、
「楽器」という角度で
捉えれば、
見るもの、感じるもの
全てが新鮮で
太鼓づくりにヒントになることが
たくさんあったんです♬
中でも、
私が一番ヒントになった話が
これでした↓↓
ギターの音が生まれる仕組みは、
とてもシンプルで
ボディとなる胴に弦が張られ
それを弾くことで「音」が生まれます♬
そして、
その「音」というのも
これまた胴の素材や
作り方によって無限に作れるのですが、
そのギターの「音」に
大きく影響しているのが
ボディーにあたる胴の
「素材」とその「厚み」だというのです。
素材で音が違うのは
太鼓も全く同じなのですぐに理解できましたが、
「厚み」という視点は、
正直あまり意識したことが
なかったので、
直感的に、面白いなぁ〜って
感じました♬
そうか〜、
ギターは、
ボディの厚みを薄くすることで
胴自体がよく響くようになり
結果、音がよく鳴るという♬
だったら、
もしかして「桶太鼓」も
そういう視点で捉えたら
新しい可能性が生まれるんじゃないか?
と、いうことで
今までの私の視点は、
胴が「薄い」ということは
イコール胴の「強度」に
関わってくるので、
逆にあまり薄くしてしまうのが
怖くて、
どちらかというと
いかに厚みを残して作れるか?
と、いう視点で
桶太鼓を作ってましたが
今回は、
思い切って真逆の視点で
桶太鼓の胴の響きを
最大限活かせるように、
極限まで薄い胴で作ってみよう!
そう思ったのです。
思い立ったら即行動!
早速、いつも使っている
厚みの板よりも薄い材料を準備♬
写真の右はこれまで桶を
作る時に使っていた材料の厚み
そして、
左側が今回の試作用に
準備した板の厚み♬
一見すると、
それほど大きな差が
ないように見えるかもしれませんが、
このわずかな違いこそが
大きな差になっていくんです♬
薄いがゆえに、
これまで以上に
一つ一つの作業を丁寧に
積み上げていかないといけません。
試作の桶のサイズは
1尺6寸♬
なぜ1尺6寸にしたかというと、
実は、
私が桶づくりを習い始めて
師匠と一番最初に作ったのが、
自分用の1尺6寸の
担ぎ桶だったんです↓
当時は、
ちゃんと桶という「カタチ」に
できたことだけで感動してましたから、
当然その先の「音づくり」だったり
仕上がりだったりは、二の次でした。
そこから、
自分なりの経験と知識を
積み重ね、
ようやくたどり着いた
自分が求める「音」を
自分で作れるという幸せを感じながら
試作作りに没頭すると同時に、
懐かしの1号機を改めて
見つめながら、
あの頃いろんなことを
教えてもらった師匠との時間を思い出し
いろんな思いが
蘇ってきました♬
私が桶づくりを師匠の元で
習い始めたのは、
平成28年の1月。
胴の中には、
もちろんその歴史が刻まれています↓↓
今年が平成30年ですから、
まだ桶を作り始めて
たかだか2年と9ヶ月なのです♪( ´▽`)
いろんな方との
奇跡的な出会いに改めて感謝しながら
気合を入れて
試作作りを続けます♬
この1号機が幸運にも
当時、本当に何もわからず
作っていたので、
とにかく重い♪( ´▽`)
当然、板の厚みも厚いので
今回の試作を作って
音の違いを確かめるには絶好の相手だ!
よって、
板の厚み以外は
この師匠と作った第1号と
全く同じ仕様で作ることにしました♬
ようやく、
少しずつカタチになってきたところで
いよいよ、
胴の中を削り込んでいきます。
ここでの作業が、
今回一番試してみたかった
板の「厚み」を決める重要な作業♬
ただただ
削ることはカンタンでも、
削り過ぎてしまえば
胴が割れてしまうし、
バランスよく削っていかなければならず、
いつも以上に
時間をかけ、
いつも以上に
たくさん削り込んでいきます♬
こうして、
ただでさえいつもより
薄い材料を、
さらに削り込んでいき、
これまでになかった
胴の薄さにチャレンジしました♬
そして、
いよいよ完成した試作第一号がこちら↓↓
右が、今まで使っていた
最初に作った桶で、
左が、今回新たに
作った試作第1号♬
塗装前ではあるものの、
パッと見ても
その違いはそれほど感じはしませんが、
この時点で、
桶の軽さが歴然と違うのです!!
早速、重さを測ってみることに!
まずは、今まで
使っていた重たい桶↓
胴だけで2.85キログラム!
これは、正直重いです♪( ´▽`)
今、標準で作っている桶で
だいたい1尺6寸が
2.2キロほどで作ってますから
ペットボトル1本分以上
重いので、
担いだ時の肩への負担も
当然大きいわけです、、、
続いて、
今回の試作機↓↓
なんと!!
2キロを切って、
1.8キロ!と
驚きの軽さ♬
今までの桶とは
1キロ以上軽くなったし、
1.8キロというのは、
通常の1尺4寸サイズの
桶と同じ重さです。
さて、
重さだけで驚いている
わけにもいかず、
肝心なのはその「音」に
どれだけ違いが出るのか??
早速、組み上げてみることに!
緊張の音出しは、いかに〜!!!!!!
おおお!!
これは、
明らかに違う♪( ´▽`)
確かに、胴が薄くなったことで
胴自体の響きが増して
音の響きに加えて、
なんと言えばいいのか、
胴が響くことによって
深みのある音色もプラスされたような印象になりました♬
胴が厚くてしっかりしていると、
芯のある音は出るのですが、
胴自体がああり響かないので
硬くてクリアな音の印象。
一方で今回の薄い胴は、
胴自体がよく響くので
クリアな音の中に深みと響きが
プラスされたような印象に仕上がりました♬
まさに、
ギター作りのノウハウは
太鼓にもそのまま同じことが言える!
そんな検証結果です♬
そして、なおかつ軽い!
「軽さ」とアンサンブルに埋もれない
音のクリアな「響き」が、
もしかして作れたら
桶太鼓の可能性はもっと広がるかもしれない、、、
「担ぎ専用桶太鼓」には、
そんな想いが込められています♬
さて、
せっかくここまで
「軽さ」と「響き」にこだわって作ったので、
塗装も、音を止めずに
塗膜を薄く仕上げられるよう
ここからは
塗装職人のしろちゃんに相談して
この太鼓にあった
最適な塗装で仕上げてみたいともいます♬
僕が目指しているのは、
「桶太鼓」を
ただの太鼓じゃなくて、
ギターのように「楽器」としての
価値を高めたいってこと。
ギターだったら、
素材や、製法によって
演奏者が様々な「音」を選んで買うことができる。
でも、
太鼓は、今は選べても
大きさだったり、デザインが主流。
そこに「音」という
視点がプラスされれば、
もっともっと桶太鼓の可能性は
広がると思う。
そう考えると
まだまだ作りたい桶、
まだまだ作れる桶が
実は無限にあることに気づくのです♪( ´▽`)
さて、
今日も、どんな桶を作ろっかな♪( ´▽`)
試作の商品化も
必ずやりますから
お楽しみに♬
今日も素敵な1日を^_−☆