2015年10月20日火曜日

伝統芸能はなぜバット型のバチを使うのか!?

こんにちは、六代目彌市です(^^♪


今日から3日間、NHKさんが三浦太鼓店にて
密着取材です(^^♪


NHK教育テレビの10分番組ですが、
その10分の為に四国まで来ていただき

朝から晩まで3日間取材です(>_<)

こりゃ~大変なお仕事だな~


12月放送になるそうです!


また詳細決まりましたらお知らせしますね(^^)/




さて、秋のお祭りシーズンで
各地でも祭礼がおこなわれてますが


お祭りの太鼓は、その“音”に各地域の方々が

非常にこだわりをもってますね!


それこそ先日訪れた愛媛の土井のお祭りの方々も
その音にとことんこだわってみえました。


太鼓の音にこだわりを持つという事は、

いったいどういうことなのでしょうか???



太鼓の“音”=言葉でありメッセージ。


音というのは、言い変えればコミュニケーションそのものです。



だからこそ、自分たちのその強い意志を
伝えるための“音”にとことんこだわるのだと感じます。


では、その音。


太鼓そのものの“音”の良さというのは当然必要不可欠ですが

その太鼓を打つ“バチ”!


このカタチからも、その音に対するこだわりが見えてきます。




不思議なことに、伝統芸能の太鼓のバチの多くに

ある共通点がある事に気付きました。



それは、バチのカタチ。




これは、先日訪れた愛媛県土井の祭りの方が
使われていたバチ。







そして、このバチは今週太鼓フェスティバルで
訪れる三河湾に浮かぶ佐久島太鼓のバチ。


現地の人はこれを“ブチ”と呼びます♪

佐久島保存会の三宅さん(^^)


佐久島の方々はこの“ブチ”のカタチと
その叩き方に非常にこだわりを持って見えます。

バチのカタチそのものが、そして

その叩き方によって、自分たちが求める“音”を奏でています。


佐久島太鼓の演奏風景はこちら>>>





そして、こちらは先週もう終わってしまったのですが
岐阜県恵那市串原の中山神社大祭で使われるバチも


同じくバット型のバチなんです!







まだまだ行きますね、


これも先日四国へ訪れた際に伺った、
阿波踊りの方々が演奏で使われると言って

見せていただいたバチ♬




このバチは、先程までのバチと違って

バット型ではありません。



が、!



いずれも同じ共通点があることに気付きませんか?




それは、バチ先端のカタチです。



現代の創作系で演奏されるバチのほとんどは、
先端の角は軽く曲面にする程度です。



一方、ご紹介した伝統芸能の太鼓のバチは、

バチ先端の面積をわざと広くして、


先端の“点”で打つのではなく、当たる面積を広くして
“面”で打ちに行くんです(^^♪


打つというより身体ごとブチ当たりに行くことから

佐久島では“ブチ”と呼んでいると聞いたこともあります。




では、どうしてこのように伝統芸能の太鼓のバチのカタチは
点ではなく“面”で打つことが多いのでしょうか???



私が感じたのは、

“点”で打つと太鼓の“音”そのものはクリアで
綺麗な音色を奏でるのですが、


逆に音色が綺麗すぎて“音”の意志と言うか

強さや主張がないように感じます。


一方、面でブチ当たるその音は、

太鼓そのものの芯のある音プラス、面にあたった時の

アタック音が混ざり、強くその音が主張してきます。




土井の祭りも、いくつもの地域から集まって
隣の太鼓台との距離が近い中、自分たちの音が


隣の地区に負けない音の主張をしようと思ったら

太鼓の音そのものの良さだけではなく、

ああ、


こうしたバチのカタチもとても大事なんだなぁということを

実感しました♪




伝統芸能すべてがこうしたスタイルでは決してないですが、

“点”ではなく“面”で打つというスタイルからも


祭の音に対する想いやこだわりを
まなぶ事ができるなぁと思いました(^^)/


みなさんのところの祭りでは
どんなバチが使われてますか~(^^♪