昨日は3月11日。
月日が経つのは早いけれど、
時が経つほどに改めて知ることも増え
悲しみが消えることはありません。
みなさんがそれぞれの立場で一生懸命支えあっている姿に
こころ打たれ自分の出来ることを自分の出来る立場で・・・
あらためて心からのご冥福をお祈りさせていただきます
さて、よく“原点回帰”という言葉を耳にします。
読んで字のごとく、ものごとの原点に帰る。
と、言う意味ですね。
先日、平成二十三年に製作した当店オリジナルの大太鼓
三六-SABUROKU-がメンテナンスの為私の所へ帰ってきたんです^^
納めた太鼓に再び会えることはうれしいことです(^^)
お陰様で平成19年に第一号を製作して以来、
北は北海道から南は九州、遠くはハワイやデンマークまで送らせていただいた
この太鼓。
今年で全国各地60台以上製作させて
いただきました。
発売のキッカケはめちゃくちゃ単純、
“大太鼓が欲しい!”
そう思ったから^^;
これはお客様のためとか、商売のマーケティングとか
まったく関係なく、とにかく自分のチームで使う
大きな太鼓が欲しかった・・・・
たったそれだけでした。
でも、最初からうまくなんていかなかった。
一番は“音づくり”
大太鼓が欲しいなって思った時、
どういう素材でどんな大きさで、どんなことができる太鼓にしよう・・・
いろいろ考えて試作しました。
だからまずは作ってみない事には
すべてにおいての“判断基準”がなかったんです。
だから、発売以来60数台
実はこの三六-SABUROKU-、
一つとして同じ三六-SABUROKU-はないんです。
皮の作り方、
胴の削り方、
皮と胴のバランスや、
胴の素材、皮の素材などなど・・・・
表面上の見た目はもちろん三六-SABUROKU-ですが
私の中での音作りマイナーチェンジを
ひたすら繰り返してきたんです。
先日、地元岡崎の由緒あるお寺“瀧山寺”にて
この三六-SABUROKU-を使って奉納演奏させていただきました。
瀧山寺にて奉納演奏
ここの演奏で使った三六-SABUROKU-は、
実は初号機、一番最初に私が作った三六-SABUROKU-だったんです。
平成19年からすでに8年。
この8年間いろんなマイナーチェンジを試みてきましたが
今回“原点”となる三六-SABUROKU-と向き合う事で
あらためてこの一号機から感じる事の多さに
とても驚きました。
“原点回帰”
“原点”に帰りたければ“原点”を作らなければならない。
私はそう思います。
“原点”とは第一歩。
“原点”があるからこそ、
次にどうしたいのか、次はどうあるべきか、
そしてその先どこへ向かい、何を忘れてはいけないのか・・・
そういう事が自分自身で理解できるのではないでしょうか。
どの時代もその時の自分自身の経験や感覚をフルに
使って正解を目指すんです。
たまたまうまく行くときもあれば、
たまたまうまくいかないときもある。
一号機作った時なんて、言ってみたら経験値は“0”ゼロ
だから比較なんてしようがない。
“原点”が作れたことで、紆余曲折あれど
判断の基準となる帰る場所ができました。
常に最高の活きた音をつくり
そして、多くの人にその音を通して幸せを届けたい。
これが私のたった一つの願いです。
メンテナンスを終えた三六-SABUROKU-