こんにちは、六代目彌市です(^^)/
ここにある一台の古い太鼓があります。
地元三河地域のお祭りで100年以上人々の中心にあった“音”。
ケヤキの立派なくり抜き胴。大きさは三尺三寸もあります!
現代価値にしたら1,000万円以上もする太鼓(^^♪
それが、地域住民の少子高齢化、人口減少により
祭りの後継者が育たずに、今回残念ながら
太鼓保存、管理が難しく、三浦太鼓店が引き取ることになった太鼓なんです。
できたのは、明治初期。約140年ほどまえでしょうか
太鼓屋佐竹市右衛門の銘があります。
太鼓屋佐竹市右衛門というのは、
実は最近になってある書物から分かってきたのですが、
三浦太鼓店、初代彌市の時の職人が独立し
開いた太鼓屋であることがわかりました。
ということはこの太鼓の“ルーツ”は三浦太鼓店にあったんですね~
使われなくなってしまったことは
非常に残念なのですが、なんだかとっても嬉しくなりました(^^
よって、修理の記録も
歴代の三浦太鼓店の銘がいくつか刻まれていました(^^♪
これは昭和初期に修理された記録。
珍しく、修理代金60円という記録も残されてました~。
これも、現在修理すると約60万円ですからね~( ;∀;)
当時の貨幣価値もよくわかります。
そんな、太鼓が今回実はここから新たな使い手へと
命のバトンがつながったんです(^^♪
もともとは、地域の祭りで使われていた胴の長い太鼓だったのを
少し長さをカットし、現代の創作太鼓用に使い勝手をアレンジ(^^♪
太鼓の胴は膨らみがありますから、
胴を少し短くすると、口径が大きくなり
ここに、三尺八寸の太鼓が完成しました🎶
今回、この太鼓の命をつないでくれた東京で活躍する塚本鷹くん!
新しい音が生まれるその瞬間を共に
作り上げていただきました(^^)/
こちらは、五代目親父でございます(^^♪
使われなくなってしまった太鼓、
一時引き取ったものの、実際はこの太鼓が
どうなってしまうのか・・・・
そんな不安を抱いてましたが、
こうして新しい命の音を吹き込ませていただけたことに
ただただ感謝なのです。
今回、この太鼓の運命に携わる中で感じたことは、
真実の想いというのは、つなぎたいと無理に願わずとも
不思議とつながっていくんだということ。
ウソ偽りのない本物であったり、
ウソ偽りのない真実の想いというのは
不思議と人の心につながっていきます。
だから、いくら古い太鼓であっても
こうして必然と次の担い手が現れてくれる。
真実とは、どれだけ時代が移り変わっても
変わることのない事実ですから。
だから、今新たな息吹を吹き込んだこの太鼓は
きっと私達がこの世の中からいなくなってしまった後も、
真実の“活きた音”でたくさんの人々を幸せにしてくれると確信します(^^♪
時代を超え、世代を超える真実の音は
“つなぐ”と願わずとも自然とつながっていくんだと。
これこそ、私が常々大切にしている“活きた音”そのものですね。
歴代の彌市の銘の横に、誇らしげに
六代目の銘を入れこの太鼓の歴史がつながっていきました(^^
感謝!