こんにちは、六代目彌市です(^^)/
今日は、太鼓の皮の寿命のお話(^^♪
よく聞かれるんですよね!
太鼓の皮って何年持ちますか?って、、、、
さて、みなさん太鼓の皮
いったいどれくらい持つと思いますか?
ほら、こんな感じで
穴が開いてしまったら、残念ながらもうお役ご免なのです( ;∀;)
今回は、そんな太鼓の皮の寿命について
せまってみたいと思います!!!ドンドンドン♬
昨日、ちょうど親父と共に、
3尺6寸の大平胴太鼓の張り替えをしてたんですよね(^^)/
今回の太鼓の修理、
片面はもともとの皮を使っての“締め直し”
そして、
もう片面は新しい皮に張り替えるというモノでした。
もともと当店で作った太鼓ではありませんでしたが、
胴の中には1997年(平成9年)にできたという文字が。
約20年という事になりますね!
ただし、この太鼓
決して穴が開いてしまったから張り替えるのではなく
“音”が緩んでしまったから張り替えました。
ここで一つ、
もし、音が緩んでしまって鳴らなくなってきたら
どうすればいいか?
ということですね。
最近の太鼓はですね、音がゆるんでも
かんたんに“締め直し”ができるように
“耳”と呼ばれる皮を引っ張る部分をそのまま残すことが
多くなりました!
だから、皮に穴が開いていなくて、
“耳”がしっかりとしていれば
締め直すということができるのです!
↑こちらは締め直しの皮
昔の太鼓は、締め直すという概念すらなかったので
“耳”は当たり前のように太鼓を張ったら切っていました。
今でも、祭礼や伝統芸能の太鼓は
耳を残さないで切ってしまう場合がおおいです。
こんな感じです↓
こうやって、皮を引っ張っていた
耳の部分を切ってしまうんですね!
だから切ってしまうと、
締め直すことが難しいので
最近は耳を残す傾向が高まりました(^^♪
ただし、耳さえ残っていれば
何度でも締め直しできるかと言えば、そうでもないのです。
今回の太鼓で言うと、
締め直しをするのが2度目!
こうやってふたたび、耳にロープをかけて
締め上げてから鋲を打っていくのですが
よく見てください!
ほら、引っ張っている耳の部分が
もう限界で裂けてきてるのわかります??
耳さえあれば締め直しできますが、
その肝心な耳も、やはり強烈なテンションで締めるのに
何度も何度もやれるほどの耐久性はないのです( ;∀;)
でも、安心してください。
そんな締め直しの事を考えて、
太鼓屋さんはちゃんと耳の部分に皮を必ず“2重”に重ねて
作ってあります(^^)/↓
“あて皮”と呼んでますが、
この2枚重ねのお陰で、2回目の締め直しが
無事できました。
ただし、次回はもうできませんね!
よって耳がついている太鼓の締め直しは
2回がくらいが限界でしょうね!
そして、反対面の皮は
はい!きれいで美しい新品の皮へと
張り替えました(^^♪
さて、寿命のお話に戻りますが、
この太鼓で言うと、
20年で片面張り替えて
そして、
もう片面は締め直しを2回でしたね。
私達からしたらだいたい平均的な寿命かなという感じです。
太鼓の皮って消耗品なんですよ~
だから、何年というよりも
どれだけ使ったかという“使用頻度”が寿命に一番影響します。
みなさん、お車乗られますよね!
車の寿命ってどうやって想像しますか?
うちはハイエースを愛用していますが、
寿命っていうと走行距離を考えますよね!
古い方のハイエースが10年で25万キロを超えていますが
あぁもう、いつ寿命がきてもおかしくないなって感じで
頑張ってくれてます。
でも、例えば10年乗っても
私達みたに、あまり遠くまで走らずに
同じ10年でも10万キロもみたいない人いると思います。
そういう車はきっとまだまだ元気に走りますよね!
太鼓の皮も同じです。
単純に使った分だけ“消耗”するわけですから
使用頻度によって寿命は違います!
今年の春に張り替えた、
滋賀県の名願寺というお寺さんから預かった太鼓の皮!
これは驚きの寿命でした(^^
パッと見ても古そうな皮ではありましたが、
なんと!
1848年!今から168年前に作られた
当時の皮がそのまま現役で使われていたんです( ;∀;)
お寺さんの事ですからね、
きっと毎日使われるわけじゃなくて
何か特別行事があるときに、ポンポンと軽くたたく
くらいだったのでしょうか、、、、
それにしても160年以上も持つ太鼓の皮に
出会ったのは私たちも初めてで驚きました。
その時の修理の詳しいご紹介は
過去のブログ記事
リンクはちらから>>>
まぁこれほどまでに長持ちは異例ですが、
通常の太鼓チームが1週間に1度くらいの練習で
普通に使っていれば、
10年くらいは平気でもつとおもいます(^^♪
万が一、1年2年で破れてしまう
そんな太鼓があったら、通常では
ちょっと考えにくいので、当店では
無償メンテナンスで交換させてもらってます(^^
大切な太鼓ですからね!
みなさん少しでもながく愛用されるために
いろいろ気を使っていただいていると思いますので
また、次回は太鼓の管理の方法なども
お伝えできればと思っています(^^♪
今日も素敵な一日を(^_-)-☆