2016年10月28日金曜日

皮は何年もつのか!?太鼓の皮の寿命のお話。教室では教えてくれない太鼓のお話パート6

こんにちは、六代目彌市です(^^)/



今日は、太鼓の皮の寿命のお話(^^♪


よく聞かれるんですよね!

太鼓の皮って何年持ちますか?って、、、、




さて、みなさん太鼓の皮

いったいどれくらい持つと思いますか?




ほら、こんな感じで

穴が開いてしまったら、残念ながらもうお役ご免なのです( ;∀;)






今回は、そんな太鼓の皮の寿命について

せまってみたいと思います!!!ドンドンドン♬





昨日、ちょうど親父と共に、

3尺6寸の大平胴太鼓の張り替えをしてたんですよね(^^)/








今回の太鼓の修理、


片面はもともとの皮を使っての“締め直し”


そして、

もう片面は新しい皮に張り替えるというモノでした。



もともと当店で作った太鼓ではありませんでしたが、

胴の中には1997年(平成9年)にできたという文字が。





約20年という事になりますね!




ただし、この太鼓

決して穴が開いてしまったから張り替えるのではなく


“音”が緩んでしまったから張り替えました。



ここで一つ、


もし、音が緩んでしまって鳴らなくなってきたら

どうすればいいか?


ということですね。


最近の太鼓はですね、音がゆるんでも


かんたんに“締め直し”ができるように

“耳”と呼ばれる皮を引っ張る部分をそのまま残すことが


多くなりました!


だから、皮に穴が開いていなくて、

“耳”がしっかりとしていれば


締め直すということができるのです!


↑こちらは締め直しの皮


昔の太鼓は、締め直すという概念すらなかったので

“耳”は当たり前のように太鼓を張ったら切っていました。


今でも、祭礼や伝統芸能の太鼓は

耳を残さないで切ってしまう場合がおおいです。


こんな感じです↓





こうやって、皮を引っ張っていた

耳の部分を切ってしまうんですね!


だから切ってしまうと、

締め直すことが難しいので


最近は耳を残す傾向が高まりました(^^♪



ただし、耳さえ残っていれば

何度でも締め直しできるかと言えば、そうでもないのです。


今回の太鼓で言うと、

締め直しをするのが2度目!




こうやってふたたび、耳にロープをかけて

締め上げてから鋲を打っていくのですが


よく見てください!


ほら、引っ張っている耳の部分が

もう限界で裂けてきてるのわかります??





耳さえあれば締め直しできますが、

その肝心な耳も、やはり強烈なテンションで締めるのに

何度も何度もやれるほどの耐久性はないのです( ;∀;)


でも、安心してください。


そんな締め直しの事を考えて、

太鼓屋さんはちゃんと耳の部分に皮を必ず“2重”に重ねて

作ってあります(^^)/↓





“あて皮”と呼んでますが、

この2枚重ねのお陰で、2回目の締め直しが

無事できました。


ただし、次回はもうできませんね!


よって耳がついている太鼓の締め直しは

2回がくらいが限界でしょうね!




そして、反対面の皮は


はい!きれいで美しい新品の皮へと

張り替えました(^^♪





さて、寿命のお話に戻りますが、


この太鼓で言うと、



20年で片面張り替えて

そして、

もう片面は締め直しを2回でしたね。



私達からしたらだいたい平均的な寿命かなという感じです。



太鼓の皮って消耗品なんですよ~


だから、何年というよりも

どれだけ使ったかという“使用頻度”が寿命に一番影響します。



みなさん、お車乗られますよね!



車の寿命ってどうやって想像しますか?


うちはハイエースを愛用していますが、


寿命っていうと走行距離を考えますよね!

古い方のハイエースが10年で25万キロを超えていますが


あぁもう、いつ寿命がきてもおかしくないなって感じで

頑張ってくれてます。



でも、例えば10年乗っても

私達みたに、あまり遠くまで走らずに

同じ10年でも10万キロもみたいない人いると思います。


そういう車はきっとまだまだ元気に走りますよね!


太鼓の皮も同じです。


単純に使った分だけ“消耗”するわけですから

使用頻度によって寿命は違います!



今年の春に張り替えた、

滋賀県の名願寺というお寺さんから預かった太鼓の皮!


これは驚きの寿命でした(^^






パッと見ても古そうな皮ではありましたが、


なんと!



1848年!今から168年前に作られた

当時の皮がそのまま現役で使われていたんです( ;∀;)



お寺さんの事ですからね、


きっと毎日使われるわけじゃなくて

何か特別行事があるときに、ポンポンと軽くたたく

くらいだったのでしょうか、、、、



それにしても160年以上も持つ太鼓の皮に

出会ったのは私たちも初めてで驚きました。


その時の修理の詳しいご紹介は
過去のブログ記事

リンクはちらから>>>



まぁこれほどまでに長持ちは異例ですが、


通常の太鼓チームが1週間に1度くらいの練習で

普通に使っていれば、

10年くらいは平気でもつとおもいます(^^♪



万が一、1年2年で破れてしまう


そんな太鼓があったら、通常では


ちょっと考えにくいので、当店では

無償メンテナンスで交換させてもらってます(^^




大切な太鼓ですからね!


みなさん少しでもながく愛用されるために

いろいろ気を使っていただいていると思いますので


また、次回は太鼓の管理の方法なども

お伝えできればと思っています(^^♪


今日も素敵な一日を(^_-)-☆