2015年11月5日木曜日

古い太鼓はタイムカプセル。

こんにちは、六代目彌市です(^^)/


今日明日と二日間、経営者セミナーへ参加してまいります!

職人と言えど、経営者ですからね~


どんなによき仕事も、必要とされなければ
事業継続していくことができません。

勉強がんばります!



さて、先日じもと愛知の吉良萩原から預かりました古い太鼓。

明治に入り、今はなき西尾の山川さんという
太鼓屋さんでで修理した記録がありますが

作られたのは、寛政四年1792年大阪の渡邊村。

現在の浪速区にあたる土地で
219年前に作られた古い太鼓です。




胴内に残された記録と銘。

寛政四年六月吉日 大阪渡邊村細工人


しっかりとした花押(かおう)も入ってます。



現在でこそ、交通環境の配備などで
関西、東海、日本全国どこへでも便利にまたものすごい早く
行けてしまいますが、


江戸時代、遠く大阪から
いったいどのようにしてここ三河まで運ばれたのか・・・


明治に修理して以来の
張り替えで、今回胴の中を見ることができたのが

100年以上たってということなのですが、


古い太鼓っていうのは私にとっては“タイムカプセル”みたいなもんです。


みなさん、学生時代にタイムカプセルってやりました^^;


わたしも小学校卒業するときに
やりましたね~

20歳になっている自分に向けてのメッセージや
当時のテストの点数^^;など・・・


蓋をあけた瞬間に、なんでしょう・・・


止まっていた時間がふたたび動き出し、

たくさんのメッセージを解き放ってくれるのがタイムカプセルですよね。



太鼓も同じです。


古い太鼓って、太鼓の中に
そんなタイムカプセルのようなメッセージを強く感じます。

書かれた記録からもそうですし、

一つ一つ残されたノミの彫りあとだったり、

鋲の打ち方、材質、太鼓の作り方そのもの・・・



そして、新たな息吹を吹き込んで
修理したときに放つ“音”・・・


古い太鼓は、忘れかけた大切な大切なメッセージというのを

本当にたくさん含んでくれています。


わたしにとって、伝統を守るという
想いの中には、


こうした古い太鼓が教えてくれた
太鼓にとって忘れてはいけない一番大切な事。


先生みたいなものですかね~^^;


だって、もうすでに目の前にこうやって作れば
200年たくさんの人に活きた音を届ける事が出来るよ!


というのを、まさに証明してくれてる存在があるのですからね~

だから
そうか!

こうやって作れば、人と人をつなぎ、人と自然をつなぎ
大切に受け継がれるんだという事を学ばせてもらいます。


故きを温ねて新しきを知る。


今日も素敵な出会いに感謝です!